ナイフとフォークで作るブログ

小説とアニメ、ときどき将棋とスポーツと何か。


エッセイ・ノンフィクション

村上春樹『もし僕らの言葉がウィスキーであったなら』感想  〜ウィスキーと、素面の言葉〜

酒は、人に言葉を紡がせる魅力を持っている。 飲酒の情景を描いた文学作品は数多い。たとえば漢詩では、飲酒が主要なテーマの一つとなっている。また日常においても、粋な酒の飲み方や、飲酒にまつわる武勇伝を語りたがる人は少なくない。 酒は、人をして物…

内澤旬子『世界屠畜紀行』メモ(1)

「人は、どうしても動物に感情移入してしまうんですよね。でも動物には、人間が想定するような苦しみだとか、喜びだとか、そういった感情はほとんどありません。チンパンジーだって人ほどには複雑に『思って』ないですよ。たとえば、お腹のすいたチンパンジ…

山野井泰史『垂直の記憶』を読んで。 〜 人間の強さ 〜

フィジカルな文章 山野井泰史『垂直の記憶』を読みおえた。非常に面白かった。 毎年読んだ本をランキングしていのだけれど、今年の一番は間違いなく『垂直の記憶』だ。(ちなみにこれまでの一番は北村薫『太宰治の辞書』だった。) 十代の頃に植村直己の冒険…