ナイフとフォークで作るブログ

小説とアニメ、ときどき将棋とスポーツと何か。


漫画

岸虎次郎『オトメの帝国』感想  〜優しさのある日常系〜

『オトメの帝国』が『グランドジャンプ』から『少年ジャンプ+』に移籍し再スタートしました(2017年11月22日)。 shonenjumpplus.com 作品紹介には「’10年代ティーンたちの、波乱に満ちた日々を描くセキララ百合コメディ」とありますが、いささか大げさかと…

『聲の形』感想 〜西宮硝子とキャラクターデザインのこと〜

ヒロイン西宮硝子 ちょっと遅くなりましたが『聲の形』見ました。 ヒロインの西宮硝子が可愛かったです。今まで見たアニメキャラの中で一番でした。自分でも一番だなどと簡単に言っていいのかと感じるのですが、それでも一番なのだと思います。『とらドラ!…

つくみず『少女終末旅行』2巻の感想  〜 文明を葬送する二人 〜

『少女終末旅行』 チトとユーリ、二人の少女が文明の崩壊した終末世界を愛車のケッテンクラートで旅をする物語。それが『少女終末旅行』です。実際は文明が崩壊したと明言されていないですし、チトとユーリの移動が旅と呼べるものかも定かではありません。ま…

石川雅之『Teşekkür ederim』は必見。

http://www.moae.jp/comic/tesekkurederim 『もやしもん』完結より約1年。 5月22日(金)発売の月刊「モーニング・ツー」7月号より、 石川雅之氏の待望の新連載がスタートします! これに先駆けて「モアイ」では、 昨年の掲載以来“幻の読み切り”となっていた…

田島列島『子供はわかってあげない』下巻まで読み終えて 〜 やっぱり10代に薦めたい漫画でした 〜

※以下、ネタバレあります。 田島列島『子供はわかってあげない』。面白い漫画でした。真っ直ぐに甘酸っぱいボーイ・ミーツ・ガールの物語。話の展開にはちょっとしたミステリーや家族をめぐる物語等々、幾つかの要素が絡み合っているのですが、その底流にあ…

田島列島『子供はわかってあげない』上巻の感想 〜これは10代に読んでもらいたい漫画です〜

「このマンガがすごい!2015」で『子供はわかってあげない』を知ったときに、絶対面白い漫画だと思いました。タイトルの言葉選びのセンスと、そこに垣間見える気迫にはっとさせられ、同時に表紙イラストのほのぼのとした雰囲気が、そのタイトルと妙に噛…

阿部共実を解釈する 〜関係性と状況〜

阿部共実の作品テーマの中の大きなものに、関係性と状況がある。 関係性は、好意について取り上げられることが多いのだが、一方通行であったり、交わらなかったり、ときに相思相愛となるような、色々な好意の有り様が描かれている。 状況について、一言に還…

青木俊直短篇集『レイルオブライフ』の感想

青木俊直さんを初めて知ったのは、ちょっとはっきりしませんが2011年頃だったと思います。Twitterで偶然に青木さんのツイートを目にし、そのアイコンに一目惚れしました。個人的な好み、ど真ん中の絵柄だったからです。 NHKの人気朝ドラ『あまちゃん』が…

マイナス状況の日常漫画③:吉田覚『働かないふたり』

悲惨だったり、不幸だったり、とても平穏で平和だとは言えない状況を舞台にした日常漫画を、勝手に「マイナス状況日常漫画」と名付けて、幾つかの作品を紹介しています。今回はその3作品目で、吉田覚『働かないふたり』です。 『働かないふたり』は、ニート…

March comes in like a lion.

いよいよ明けて3月1日は、将棋名人戦・順位戦 A級の最終日、残された全五局が一斉に行われます。人の言うところの「将棋界の一番長い日」です。 羽海野チカの漫画『3月のライオン』のタイトルは「March comes in like a lion, and goes out like a lamb.…

マイナス状況の日常漫画②:安田剛助『KILLER☆KILLER GIRLS』

昨日の『少女終末旅行』についてのエントリーに引き続き、今回もマイナス状況を舞台とした日常漫画を一作品、オススメします。一応「マイナス状況」について説明すると、それは悲惨だったり、不幸だったりする、決して平穏とはいえない状況全般を指します。…

マイナス状況の日常漫画①:つくみず『少女終末旅行』

マイナス状況の日常漫画 日常漫画はいろいろ有りますが、近頃、マイナス状況を舞台とした面白い日常漫画が幾つか目に付いたので、その中の一つを紹介します。 紹介に先立って「マイナス状況」について説明をしておきます。それは客観的に見れば不幸だったり…

『暗殺教室』128話感想 〜或いは茅野カエデが一番美しい時〜

いやいや、ビックリしました。まさか茅野カエデが触手持ちの存在だとは。つまりは怪物ということなのでしょうけれど、彼女に怪物という言葉は使いづらいですね。今のところは。 当然気になるので茅野さんについて検索してみたところ、これまで特に活躍する局…