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『アルドノア・ゼロ』全24話を見終えて、感想を

※以下、ネタバレあります。


 『アルドノア・ゼロ』全編を通じて、一番関心したのは作画のクオリティーの高さです。動きのある戦闘シーンも、キャラクターの造作も特に崩れることはありませんでした。また、引きの絵を使って尺を埋めるようなこともありませんでした。
 放送スケジュールが半年のインターバルを挟んだ分割二期というのが良かったのかもしれません。現在のTVアニメを見ていると、2クール24話を作画の質を落とさずに完走させるのは相当に困難なように思えます。ですので、間に時間を置いて2クールという方法がその対策として有効であるなら、他の作品(会社)が積極的に同様の方法を採用するのも一つの手ではないでしょうか。


 『アルドノア・ゼロ』のストーリーに関しては、幾つか唐突だったり根拠が不明だったりする要素がありましたが、それらに目を瞑れば概ね楽しめました。
 例えば、アルドノア起動権を王族しか有しない理由や、アセイラム姫がスレインを助けた時にいきなり口移しで水を飲ませた判断、不見咲カオルが非モテに見えいないこと、ヘブンズ・フォールの詳細、地球のカタフラクトと火星のカタフラクトのパワーバランス、オコジョだけが割りを食ったという事実、火星騎士や軌道騎士、月面騎士の立場の違い、或いはスレインが目指した最終的なゴール等々、そういった見終わって尚理解できない部分(しっかり見ると分かるのかもしれません)に目を瞑れば、ごくシンプルなロボットアニメとして楽しめました。


 ところで『アルドノア・ゼロ』の始まりは伊奈帆とユキ姉の朝食の場面だったと記憶しています。そして最終回でも伊奈帆はユキ姉の運転する車に乗って物語を終えます。その辺りを鑑みると『アルドノア・ゼロ』は結局はユキ姉の、ユキ姉による、ユキ姉のためのブラコン物語にしか過ぎなかったのかもしれません。いや、違うかな。