ナイフとフォークで作るブログ

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TVアニメ『響け!ユーフォニアム』2話までの感想

 『響け!ユーフォニアム』のヒロイン黄前久美子の魅力がどこにあるか問われると、いまのところ返答に窮します。これといった個性を発揮していないし、どちらかと云うと周囲に流されやすい性格にも見えるからです。
 ただ一つ個人的に面白いと感じる点は、彼女が相対的に大柄に見えることです。彼女が大きいというより、仲の良い加藤葉月と川島緑輝が小柄という方が正確なのでしょうが、結果的に彼女は大柄に見えます。もの凄くどうでも良いことのようですが、そういったヒロインは割りに珍しいように思います。とはいえやはり彼女の個性が見えない現状は否定できません。


 しかし、それでも尚『響け!ユーフォニアム』は面白いです。何故でしょう。思うにこの作品は、キャラクターの魅力に依存する類の作品ではなく、群像劇だからです。吹奏楽部というのは大所帯であり、また同級生間、学年の上下、或いは担当するパート毎と、幾重もの人間関係が複雑に絡みあう集団です。そこを物語の舞台とするならば、特定の個人に焦点を当てるよりは、群像劇として作るほうが自然です。
 そういった観点から考えると個性の薄い黄前久美子を主人公に配したことは好手のように感じます。また物語の展開も無理のない形で吹奏楽部に様々な人が居ることを示唆しています。例えば、台詞のないキャラクターもそれとなく人となりが伝わるカットが入れ込まれています。


 近頃はキャラクターに重きをおいたアニメが多いように思いますが、『響け!ユーフォニアム』はそれとは距離を置く作品になりそうです。そういった意味では、見る側の好き嫌いが別れる作品になるかもしれません。
 確かにそうなるかもしれませんが、ここで一つ言いたいことは『響け!ユーフォニアム』は名作になるだろう、ということです。今書き残しておかなければ後出しジャンケンになってしまうので、一先ずそのことだけはここに記しておきます。