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ナイフとフォークで作るブログ

小説とアニメ、ときどき将棋とスポーツと何か。


将棋名人戦第4局 羽生善治名人-行方尚史八段 感想 〜見計られていた勝負手〜

 相変わらずニコ生は弾かれるので、朝日新聞のサイトで視聴していました。今日は突然に、率直な質問のアンケートが出されることが何度かあったので、それに答えられなくて残念でした。まあ、見られないよりはましなのですが。

名人戦七番勝負第四局

 さて名人戦七番勝負第四局です。これまでのところ羽生名人のニ勝、行方八段の一勝という成績です。名人が勝って王手を掛けると、防衛の可能性が随分高まると予想しています。

見計られていた勝負手

 本局はまさに手に汗握る熱戦でした。流れとしては、中盤で駒割り、駒の働きの面で行方八段がリードを奪っていたのですが、羽生名人の繰り出した勝負手が効果を発揮し、羽生名人の逆転勝利となりました。

 その勝負手ですが、71手目▲2三歩が分かりやすく勝負手に見えます。しかし棋譜を読み直してみると、名人は少なくとも49手目▲3五歩から、その▲2三歩を見据えていたように思えます。

 49手目の時点で、羽生名人はニ筋の突き捨てから2三に歩を打ち込む筋に可能性を感じていたと仮定します。しかし懸念が二つあります。一つは持ち歩がないこと。もう一つは後手陣の形が良いことです。ただ、歩の方は▲4六歩△同歩▲同銀で手に入りそうなので、より問題となるのは後手の形の良さです。

 51手目の▲2六銀から先手の右銀がまさに右往左往します。この一見すると、棒銀を狙ったけれど繋がらないので退却したような一連の動きが、実は後手の守り駒を上ずらせる成果を上げているのです。そして幾分形を悪くした後手陣に対して▲2三歩がより効果的に働いています。

 ですので、71手目の勝負手は予め見計られていた可能性が全く無いとも言えません。となるとそもそも勝負手ですら無いという話になるのかもしれませんけれど。もちろん本当の所がどうかは分かりません。しかし棋譜からそういった思考の流れが感じ取れたので、勝手読みしたくなった次第です。

熱戦を期待

 上にも書きましたが、本局は羽生名人が勝利し名人防衛に王手を掛けました。行方八段が巻き返すのか、羽生名人が押し切るのか。やはり名人に有利な状況にあると思いますが、勝負は蓋を開けてみないと分かりません。第五局以降も、本局のような熱戦を期待しています。

追伸

 本日のニコ生の解説者は渡辺明棋王だったのですが、素晴らしい解説でした。読みの速さ、鋭さはもちろん、棋王の率直な物言いや、キビキビとした大番駒の動かし方は視聴していてとても気持ちのよいものでした。棋王の解説は目茶苦茶好きなのですが、しかしやはりタイトルを争う棋王をもっと見たいというのが本音ではあります。
渡辺明の思考: 盤上盤外問答

渡辺明の思考: 盤上盤外問答