羽生名人防衛 〜 第73期名人戦七番勝負 〜
行方尚史八段を挑戦者に迎えた「第73期名人戦七番勝負」において、羽生善治名人が防衛を果たしました。羽生名人の4勝、行方八段1勝の結果でした。
七番勝負全体の流れを総括すると、以下の記事の末文にある(記事は削除されています)「行方は「長考派」の特徴を生かして中盤でリードを奪う対局が目立ったが、及ばなかった。」ということに尽きると思います。少なくとも第3、4、5局は、中盤には行方八段が気持よく指している様子ながら、次第に羽生名人優位な展開に変化していく将棋でした。「及ばなかった」という言葉が深く響いています。
http://mainichi.jp/feature/news/20150530k0000m040084000c.html
(記事のアーカイブ→ http://archive.is/RJvpB )
さて名人戦の勝敗が決したばかりですが、明けて3日後の6月2日には「第86期棋聖戦五番勝負」が始まります。棋聖保持者でもある羽生名人に挑戦するのは、若手実力者代表格の豊島将之七段です。
その棋聖戦について一つ思うことは、今回の名人戦では5局中の3局が矢倉戦でした。現在の将棋界で、矢倉は決して流行形ではありません。今はなんといっても角換わりの将棋が脚光を浴びています。また、相掛かりの研究も盛んのように思います。
ですので棋聖戦でも角換わり、あるいは相掛かりが採用される可能性は高いはずです。すると羽生名人からすれば、それらの将棋についての研究をあまり晒すことなく名人戦を乗り切れたことは、意味が大きいように思います。自分が羽生名人贔屓なので、そう都合よく考えてしまうのかもしれませんが。
ともあれ、タイトル戦が続きワクワクする毎日です。
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