ナイフとフォークで作るブログ

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『ウィッチクラフトワークス』これまでの大雑把な感想

 今期のアニメで一番好きな作品は何かというと、『ウィッチクラフトワークス』です。


 始まる前は全くノーチェックだったのですが、たまたまスタート前の予告編を目にして、火々里さんと、たんぽぽさん達の戦いのシーンに惹かれ視聴すると、これが面白かった。


 火々里さん役の声優さんが瀬戸麻沙美さんだったのもよかったです。瀬戸さんは『ちはやふる』の千早役から注目していたのですが、火々里さんの声ではトーンを変えていたので、はなは瀬戸さんだと分かりませんでした。まったく修行が足りません。


 この『ウィッチクラフトワークス』、監督は水島努さんです。ここ数年の水島さんの作品は名作が多く(『じょしらく』『ガールズ&パンツァー』など)、注目していたのですが、この作品の監督だということは完全に把握しそこねていました。この点もまた修行が足りません。情けない。


 ストーリーに関して言うと、さほど斬新さやメリハリがある訳ではありません。けれど登場するキャラクターが立っているのが、『ウィッチクラフトワークス』の魅力だと思います。
 ただし、主人公であるところの多華宮くんの存在感は薄目です。その点は認めざるを得ないとして、火々里さんや、たんぽぽさんを中心としたKMM団、クロノワールシュヴァルツ・シックスは個性的で、作品に価値を与えています。


 KMM団の存在感は、その担っている役割に比して随分と大きいようです。原作を読んでいないので、正確なことは言えませんが彼女達の魅力を引き出したのは水島監督の炯眼故でしょうか。少なくともKMM団が主人公のEDが、作品に幅と深みを生み出しているのは間違いありません。


 クロノワールシュヴァルツ・シックスは、釘宮さんの声とも相まって、悪戯っぽく何を考えているのかよく分からない存在です。本当の敵役のようにも思えるし、一方で憎めない可愛らしさもある。こういうキャラが一人居るだけで、作品を見る楽しみがはっきりと増えます。


 そして、火々里さん。とても頼もしく、その反面どこか脆い。沈着なようで居て、激情が心の底にある。しっかりしていそうで、どこか覚束ない。正直なように見えて、決定的な言葉を口にしていない。そんな彼女が最後にどう行動するのかとても楽しみです。


 『ウィッチクラフトワークス』は2クールという情報もないので、物語はおそらく佳境にあります。何となく想像するのは、色々あったけど、結局何でもない日常(その裏で行われている工房と塔の対立を含めて)が戻ってくるというラストです。


 でもそれで好いのだと思います。深刻なように感じられることが、実はさほど深刻ではないというのが、この作品の肝のように思われるからです。いや違いますね。そうあって欲しいと勝手に思っているだけかもしれません。
 さて実際のラストは、如何にいかに。