ナイフとフォークで作るブログ

小説とアニメ、ときどき将棋とスポーツと何か。


2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

本谷有希子『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』感想  〜期待と、その核にある真摯さ〜

『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』。格好いいタイトルです。このタイトルを持って駄作があるとは到底思えません。実際、面白い小説でした。期待 物語を読み解く際の一つの手掛かりとして、登場人物それぞれが持つ期待の方向と大きさに注目するようにしてい…

『長門有希ちゃんの消失』見終えた感想。

『長門有希ちゃんの消失』面白かったです。『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズは読んでいるのですが、こちらの原作は全く触れていず、先入観なく見れたので新鮮でもありました。 正直、13話「長門有希ちゃんの消失III」を見たときに、切ないけれど良い最終回だ…

東野圭吾『眠りの森』感想  〜浮つく加賀恭一郎〜

『眠りの森』を読み始めたとき、加賀恭一郎が浮ついていると感じました。あからさまにバレエダンサー浅岡未緒にうつつを抜かしていたからです。しかし最後まで読んで納得しました。本作は当然推理小説ですが、同時に男女の出会いの物語だったのです。 一度だ…

雑記(15/07/17) 〜東野圭吾『眠りの森』を読んでいます〜

東野圭吾『眠りの森』を読んでいます。まだ100頁ほどなので、全体の三分の一といったところです。 加賀恭一郎シリーズは随分前に『卒業』を読んで以来です。主人公加賀恭一郎は、『卒業』では割りと硬派な印象を受けたのですが、今回の『眠りの森』ではバ…

【印象深い文章】伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より(2)

久遠が以前に、「人間の最大の欠点の一つは、『分をわきまえないこと』だよ。動物はそんなことがない」と言っていた 引用元:伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』(文庫版)祥伝社(平成18年2月20日発行)p281 これは雪子のエピソード記憶で…

【印象深い文章】伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より(1)

人には教育欲がある。一度きりの人生に自信がないものだから、他人に先生面して、安心するのだ。 引用元:伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』(文庫版)祥伝社(平成18年2月20日発行)p26 確かにそうですね。「人には教育欲がある」と思いま…

2015年夏アニメ、何を見るのか? いまさら、だけど。

今期のアニメが続々スタートしています。というか、すでに2話まで進んだ作品もちらほら。 しかし困ったことに見たい作品があまりありません。それならば見なきゃいいのでしょうが、そうなると楽しみがなく、そんな中で何かないかと模索する状況です。 とは…

サッカー女子W杯 決勝 日本vsアメリカ 観戦記

朝からテレビに釘付けでした。結果は2対5での敗戦と残念無念。けれど思うのですが2対5というスコアの試合で、これほどエキサイティングな試合は、今日までのサッカーの歴史の内にも無いのではないでしょうか。もちろん日本人なので、贔屓目に見ているか…

『響け!ユーフォニアム』第13話感想 〜げんこつを合わせる。あるいは味のよい演出の話〜

第13話「さよならコンクール」、最終回。 コンクール会場の学校ごとの集合場所、黄前久美子が高坂麗奈の髪を結いている。そこに中川夏紀が「黄前ちゃん」と声をかけてきて、彼女と黄前久美子がげんこつを合わせる。 この場面のこの演出はとても「味がよい…