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ナイフとフォークで作るブログ

小説とアニメ、ときどき将棋とスポーツと何か。


スレイン・トロイヤードは何処に辿り着くのか? 〜『アルドノア・ゼロ』19話感想

※以下、ネタバレあります。

戦争激化の予感

 『アルドノア・ゼロ』2クール目の7話(全体では19話)を見ました。残す所あと5話でしょうか。


 今話は、派手なシーンこそ少なめでしたが、物語の大きな転換点となる回だと感じました。主人公の二人がそれぞれ、印象的なことを語っていたからです。
 詳細な言葉までは記憶していませんが、界塚伊奈帆は「地球とヴァースの和平の可能性は失くなった」という内容のことを、一方スレイン・トロイヤードは「もう後戻りはできない」といった旨を口にしていました。
 主人公の二人ともに、戦争激化を予感させるセリフや、そういった認識を与えたところに、脚本家が今話に用意した意図、つまりより悲惨な状況が到来する前兆を見ました。

認識のシンクロと、行動の相違

 ところで、界塚伊奈帆とスレイン・トロイヤードは上の例だけでなく、これまでも度々認識をシンクロさせてきました。ときに共闘した瞬間も有り、仲間となるのかと思えたこともありました。しかし結果的には相反する行動・活動に身を浸していきます。
 この両者の一面での認識のシンクロと、もう一面での行動の相違が、物語に深みを加えていることは間違いありません。


 2クール目に入ってからは、両主人公の対照性がさらに強調されているように思います。ただ、一兵卒という立場上受け身に立たざるを得ない界塚伊奈帆よりも、いまや騎士となり強い権力を持つスレイン・トロイヤードの側に焦点の当たる割合が大きいというのが、今のところの流れです。

スレイン・トロイヤードの倒錯

 その、もっか活躍中のスレイン・トロイヤードの行動について、いまさらながら腑に落ちないことが一つあります。それは、1クール目最終回で負傷し意識不明となったアセイラム姫の代わりに、偽りの姫を用意したことです。
 見ている側は、2クールがそういった前提で始まったので、不意を付かれて、とくに気にせずに受け入れてしまったように思います。しかし冷静に考えてみると、偽りの姫など作らずに単に「アセイラム姫を傷付けた地球人の凶行が許せない」という方便を使えば良かったのではないでしょうか。そうすれば、姫に対する申開きもしやすいですし、なにより徒にアセイラム姫に責任を負わす必要性は、理解できません。


 偽りのアセイラム姫を登場させ、その姫に戦争の推進者としての立場を与えることは、スレイン・トロイヤード自身の望みが叶い、本物のアセイラム姫が快癒した際に、平和を望む姫に対する彼の立場を非常に苦しいものにしてしまいます。スレイン・トロイヤードの取った行動はあまりに倒錯的です。
 そして今まさに、彼の希望通りにアセイラム姫は意識を取り戻しました。この自らが拵えた苦境において、スレイン・トロイヤードは一体どこに辿り着くのでしょうか。その疑問こそが、今話を見終えて、最も気にかかったところです。