ナイフとフォークで作るブログ

小説とアニメ、ときどき将棋とスポーツと何か。


「将棋電王戦FINAL 第5局 阿久津主税八段 vs AWAKE」の感想

阿久津主税八段 vs AWAKE 2015年4月11日に行われた「将棋電王戦FINAL 第5局 阿久津主税八段 vs AWAKE」への感想は、大きく二つあります。 一つは阿久津主税八段が、AWAKEの2八角打を誘導する所謂「山口システム」を採用したことへの残念な気持ち。…

2015年春アニメは何を見るか(3)

すでに4月10日となりましたが、前回と前々回のエントリーの続きです。今年の春アニメで、個人的に興味のある作品を上げます。既に放送開始した作品もあります。その点はあしからず。『響け!ユーフォニアム』www.youtube.com 既に第1話は放送されていま…

2015年春アニメは何を見るか(2)

もう4月の第一週が終わろうとしていますが、前回のエントリーの続編です。『血界戦線』www.youtube.com 原作漫画を読みたいと思いつつ読んでいなかった作品なので、こうしてアニメ化されて助かりました。勝手に抱いているイメージは「アクの強い戦闘もの」…

2015年春アニメは何を見るか

2015年冬アニメで完走したのは『SHIROBAKO』と『アルドノア・ゼロ』の2本だけでした。今になって『ユリ熊嵐』『ローリング☆ガールズ』は見ておけばよかったかなとも思いますが、後の祭り。 さて4月からは春アニメが始まります。興味を惹かれる作品を幾つか上…

『アルドノア・ゼロ』全24話を見終えて、感想を

※以下、ネタバレあります。 『アルドノア・ゼロ』全編を通じて、一番関心したのは作画のクオリティーの高さです。動きのある戦闘シーンも、キャラクターの造作も特に崩れることはありませんでした。また、引きの絵を使って尺を埋めるようなこともありません…

プロ野球開幕と、サッカー日本代表勝利

3月27日、2015年のプロ野球が開幕しました。 筆者は西武ライオンズファンなので、開幕戦に勝利できて満足です。ライオンズの今シーズンの課題は、何といっても先発陣の安定です。ところが柱となるべき岸が戦線を離脱したため、いきなり崩壊しそうな情勢です…

今夜『SHIROBAKO』最終回

とうとうこの日がやって来てしまいました。最終回を目の前にして、これくらい心躍る作品は久しぶりです。楽しみな気持ちもあり、同時に寂しい気持ちもあります。 『SHIROBAKO』の魅力の一つは、前に進もうとする意志の強さです。宮森あおいはじめ皆が、愚痴…

米澤穂信『秋期限定栗きんとん事件』精読1

「それなら、わかる。……きっと、雪の降った朝、一番に道に出て、足跡をつけていくような気分」 (中略) 「それで、他のひとがもう足跡をつけられないように、ぜんぶ雪かきしちゃうの」 (米澤穂信『秋期限定栗きんとん事件』上巻 創元推理文庫 p47、p48) …

上橋菜穂子『夢の守り人』『虚空の旅人』を読んで

上橋菜穂子『夢の守り人』と『虚空の旅人』を続けて読んでいます。いわゆる<守り人シリーズ>の3作目と4作目の作品です。 大雑把な印象としては『夢の守り人』はタンダの内面を描いた「個人的な物語」であり、『虚空の旅人』はサンガル国を中心とした国家…

「将棋電王戦FINAL 第2局 永瀬拓矢六段 vs Selene」の感想

電王戦FINAL第2局は、永瀬拓矢六段が2七角不成と王手をかけた局面でSeleneがその角不成を認識できず、Seleneの王手放置による反則負けとなりました。 大まかな状況はこの記事を読むと分かると思います。将棋電王戦FINAL第2局で衝撃の結末 Seleneが永瀬六段の…

『SHIROBAKO』23話感想 〜 ずかちゃんが報われてよかった。〜

『SHIROBAKO』ラス前回、見ました。刮目して見ました。なんと濃い30分だったでしょうか。アニメは最終回が近づくと、未解決な部分に決着を付けるための段取り作業に陥りがちですが、流石は『SHIROBAKO』です。うまい具合にメリハリを持たせて退屈させません…

『SHIROBAKO』も残り2話。

『SHIROBAKO』が残り2話で終わるという現実を生き抜く方法を考えていますが、答えが出ません。毎週楽しく、やる気も貰える素晴らしいアニメです。 『SHIROBAKO』の絵は色使いがきびきびとしているので、見ているだけで気分がしゃんとします。その辺りもこの…

戦争ドラマとしての『マッサン』

ここ1ヶ月ほどNHKの朝ドラ『マッサン』は戦争を描き続けている。 『マッサン』はウィスキー作りのドラマと見せかけて結局のところ人間ドラマなのだけれど、それは朝ドラの性格上しかたがないことだと思う。しかしその人間ドラマの内でも、戦争に関係した題…

Kalafina『君の銀の庭』ばかり聴いている

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』を観て、ラストに『君の銀に庭』が流れてきたときに少し不思議な気分になった。 物語の終わり方はとても楽しいとか、愉快とか言えるようなものではなかったのだけれど、この曲の楽しげな、穏やかなメロデ…

「将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery」の感想

今回の電王戦FINALはプロ棋士側が非常に厳しい戦いを迫られると思っていた。しかし、本日の第1局で見事プロ棋士側の斉藤慎太郎五段が勝利した。しかも完勝といえる内容。熱戦への期待が、いやが上にも高まる。 ところで、対局をニコニコ生放送で観戦したの…

阿部共実を解釈する 〜関係性と状況〜

阿部共実の作品テーマの中の大きなものに、関係性と状況がある。 関係性は、好意について取り上げられることが多いのだが、一方通行であったり、交わらなかったり、ときに相思相愛となるような、色々な好意の有り様が描かれている。 状況について、一言に還…

明日(3/7)はJリーグ開幕戦!

いよいよ、2015年シーズンのJリーグが始まります。 開幕直前の3月5日、新たな日本代表監督にバヒド・ハリルホジッチ氏が就任したことが発表されました。これは勝手な想像ですが、監督就任の合意はそれ以前になされていたように思います。満を持してJリーグ…

青木俊直短篇集『レイルオブライフ』の感想

青木俊直さんを初めて知ったのは、ちょっとはっきりしませんが2011年頃だったと思います。Twitterで偶然に青木さんのツイートを目にし、そのアイコンに一目惚れしました。個人的な好み、ど真ん中の絵柄だったからです。 NHKの人気朝ドラ『あまちゃん』が…

米澤穂信『冬期限定チョコブラウニー事件』で小鳩常悟朗と小佐内ゆきはどこに辿り着くのか

昨日に続いて、米澤穂信の『〈小市民〉シリーズ』についてです。 『春期限定いちごタルト事件』を読み直していると、「羊の着ぐるみ」の章に或る文章を見つけました。ちなみに「羊の着ぐるみ」の羊は、害のない者つまり小市民のメタファーでしょう、というの…

米澤穂信『冬期限定三色最中事件』はいつ出版されるのか?

ただいま米澤穂信『春期限定いちごタルト事件』を読み直しています。久々に読んでみると小佐内ゆきさんの印象が少し違った風に感じられました。この『春期限定』から始まる、いわゆる「〈小市民〉シリーズ」では『秋期限定栗きんとん事件』を手始めに読んだ…

セイコーの電子辞書事業からの撤退という、ごく個人的な話題

今月末をもって、セイコー(正確にはセイコーインスツル株式会社、通称SII)が電子辞書事業から撤退します。先日そのことを知ったときは、割とショックを受けました。電子辞書ビジネスからの撤退について 電子辞書ビジネスからの撤退について | セイコーイン…

マイナス状況の日常漫画③:吉田覚『働かないふたり』

悲惨だったり、不幸だったり、とても平穏で平和だとは言えない状況を舞台にした日常漫画を、勝手に「マイナス状況日常漫画」と名付けて、幾つかの作品を紹介しています。今回はその3作品目で、吉田覚『働かないふたり』です。 『働かないふたり』は、ニート…

March comes in like a lion.

いよいよ明けて3月1日は、将棋名人戦・順位戦 A級の最終日、残された全五局が一斉に行われます。人の言うところの「将棋界の一番長い日」です。 羽海野チカの漫画『3月のライオン』のタイトルは「March comes in like a lion, and goes out like a lamb.…

マイナス状況の日常漫画②:安田剛助『KILLER☆KILLER GIRLS』

昨日の『少女終末旅行』についてのエントリーに引き続き、今回もマイナス状況を舞台とした日常漫画を一作品、オススメします。一応「マイナス状況」について説明すると、それは悲惨だったり、不幸だったりする、決して平穏とはいえない状況全般を指します。…

マイナス状況の日常漫画①:つくみず『少女終末旅行』

マイナス状況の日常漫画 日常漫画はいろいろ有りますが、近頃、マイナス状況を舞台とした面白い日常漫画が幾つか目に付いたので、その中の一つを紹介します。 紹介に先立って「マイナス状況」について説明をしておきます。それは客観的に見れば不幸だったり…

『暗殺教室』128話感想 〜或いは茅野カエデが一番美しい時〜

いやいや、ビックリしました。まさか茅野カエデが触手持ちの存在だとは。つまりは怪物ということなのでしょうけれど、彼女に怪物という言葉は使いづらいですね。今のところは。 当然気になるので茅野さんについて検索してみたところ、これまで特に活躍する局…

「分を弁える」ということ 〜宮﨑駿『風立ちぬ』から感じたこと〜

先週の金曜日に『風立ちぬ』が地上波初放送されました。その番組は見逃してしまいましたが、以前劇場で観た『風立ちぬ』のことを考えていました。 『風立ちぬ』で印象的なシーンにひとつに、二郎と菜穂子の黒川宅における祝言の場面が有ります。この場面で二…

『かぐや姫の物語』にアカデミー賞が与えられなかった日に

本日(日本時間2015年2月23日)アカデミー賞の授賞式が行われた。残念なことに『かぐや姫の物語』の長編アニメーション部門での受賞は叶わなかった。 『かぐや姫の物語』は日本はおろか、世界のアニメーションの歴史においても稀有な名作だと思う。ユニーク…

スレイン・トロイヤードは何処に辿り着くのか? 〜『アルドノア・ゼロ』19話感想

※以下、ネタバレあります。戦争激化の予感 『アルドノア・ゼロ』2クール目の7話(全体では19話)を見ました。残す所あと5話でしょうか。 今話は、派手なシーンこそ少なめでしたが、物語の大きな転換点となる回だと感じました。主人公の二人がそれぞれ、…

若竹七海『スクランブル』の感想 〜 玉子以上、玉子未満 〜

玉子・卵・タマゴ 「スクランブル」 「ボイルド」 「サニーサイド・アップ」 「ココット」 「フライド」 「オムレット」 各章題に玉子料理が並ぶ。 白い楕円形の玉子。遠くからジッと眺めようが、近くに寄ってジロジロ観察しようが、一つ一つの明らかな違い…

上橋菜穂子『獣の奏者 Ⅰ 闘蛇編』感想。

ファンタジー×物語×少女の成長 上橋菜穂子『獣の奏者 Ⅰ 闘蛇編』読了。とても面白かった。 以前に『精霊の守り人』『闇の守り人』を読んでいたので、上橋のファンタジー世界の創造力と、物語を組み上げる筆力の秀でていることは認識していたが、本作ではさら…

米林宏昌監督『思い出のマーニー』感想  〜 子供を子供として描くこと。〜

子供を子供として描く 『思い出のマーニー』は、子供を子供として描いた映画だ。それは当たり前のことのようでいて、簡単なことではない。 映画に物語を与えるならば、人物の性質のある面を誇張したほうが作り易い。特に子供は朗らかでときに不機嫌で、気ま…

漫画『陽のあたる家 〜生活保護に支えられて〜』を読んだ感想。 〜 生活保護を考える入り口として 〜

さいきまこ『陽のあたる家 〜生活保護に支えられて〜』(秋田書店/2013年)は、なるべく多くの人に読まれて欲しい作品だ。 生活保護についての理解がなかなか広まらない現状が有る。それはやはり不幸な事態だ。 人が生活していれば、ときには思いがけな…

綿矢りさ『勝手にふるえてろ』感想。  〜 ふるえてるのは、綿矢りさ 〜

「もういい、想っている私に美がある。イチはしょせん、ヒトだもの。しょせん、ほ乳類だもの。私のなかで十二年間育ちつづけた愛こそが美しい。イチなんか、勝手にふるえてろ」(綿矢りさ『勝手にふるえてろ』文春文庫版 p131)『インストール』『蹴りたい背…

『たまこラブストーリー』感想②  〜 演出、特にファンタジーのこと 〜

名作だと思う。 『たまこラブストーリー』は、名作だと思う。 青春アニメ映画としては、『耳をすませば』(1995年)以来の出色の出来だ。 ゼロ年代以降、質の高いアンメーション作品を作り続けてきた京都アニメーション(以下、京アニ)にとり、一つの到達点…

『たまこラブストーリー』感想 ①  〜 二人だけのものではない、恋物語 〜

『たまこラブストーリー』への期待 『たまこラブストーリー』というタイトルを聞いたとき、嬉しく感じた。 北白川たまこというキャラクターを、もっと知りたいと思っていたからだ。朗らかで靭やかでいて、しかし自らの心情をなかなか口に出せないでいる彼女…

羽生善治『大局観 ── 自分と戦って負けない心』を読んだ感想。

「大局観」の朧気な形 タイトルは『大局観』とあるが、それについては最初に概括的に述べられていて、あとは時々言及される程度だ。つまり一冊通して「大局観」を語った本ではない。むしろエッセイ的な書き口で、テーマは各章各項ごとに変化する。 それらの…

『たまこラブストーリー』を見る前に  〜 たまこは如何にむけるのか 〜

母性と女性 『たまこまーけっと』の北白川たまこの人となりを考えるに当たり、母の不在を無視することはできない。 たまこが家業や家事をしっかり手伝えるのは、彼女が母を喪失するまでの間に、母から学び取った母性ゆえだろう。 それに対し、もち蔵(さらに…

『輪る荒川美穂』

ボケっと『魔法少女大戦』を見ていたら主人公青葉鳴子の声優が、荒川美穂さんだった。(※『魔法少女大戦』は3話ごとに舞台が変わり、荒川さんは1〜3話の主人公です) 荒川さんといえば、『輪るピングドラム』の高倉陽毬役が代表キャラだと言って、否定す…

「個人の公共に対する役割」と、それを望むことについて

個人と公共と役割 個人の公共に対する役割について、考えています。きっかけは、ここ一週間あまりの間にインターネット上で読んだ三つの文章です。 公共に対する「役割」という語を使いましたが、これははじめ「義務」を当てて考えていました。けれど「義務…

豊川孝弘七段のこと。  〜 『マツコ&有吉の怒り新党』を見てから 〜

4月16日放送の『マツコ&有吉の怒り新党』で、豊川孝弘七段が紹介されていた。 正直、豊川七段の良さが、よくて半分くらいしか出ていないなと思った。将棋ファン向けの放送ではないので、マニアックというか将棋用語に関するダジャレは採用しづらいという…

『一週間フレンズ。』1話を見た感想。  〜 ささやかな希望を、想像してみた 〜

『一週間フレンズ。』を1話だけ見た。 一週間毎に記憶を失っていくヒロインと、彼女を慕う少年の物語だ。 記憶をめぐる物語 物語が進んでも、記憶(思い出が)積み上げられないとなると、終わるときにも状況は変わらない訳で、それではあまりにも救いがない…

有川浩『図書館戦争』を読んだ感想。  〜 それは自然に、荒唐無稽な物語 〜

突っ込まないが吉 『図書館戦争』を読んでいて、(恐らく)法治国家である作品舞台の日本で、同一の法体系下にありながら、武力行使が為されているのは可笑しいだろ、と突っ込みを入れたら負けだなと思った。 これは『ハリーポッター』と同じで、学校行事で…

『アナと雪の女王』の感想 〜 それは現代アメリカの、新たな民話 〜

求められる人物像と、自己 『アナと雪の女王』を観た。一つ思ったことは、高畑勲『かぐや姫の物語』と、部分的にモチーフが重なっているということだ。大まかに言うと、ある登場人物に関する、他人(大衆)から求められる人物像と、自己との齟齬の問題である…

恩田陸『卒業』を読んだ感想。 〜 卒業、あるいは希望と絶望の相転移 〜

『卒業』は、短篇集『朝日のようにさわやかに』に収録されている。 この短編は、何者かに囚われた少女たちの逃避の物語だ。彼女達はそれを卒業と言う。 短い物語ゆえに、出来事の前後関係は不明だが、彼女達は僅かな希望を求めて異形の者の支配から逃げ出す…

『ひだまりスケッチ』のこと

ひだまりスケッチとかいうアニメwwwwwwwwwwwwwwwというまとめを読んでいて、なんだか好い気分になりました。 「沙英&ヒロ卒業編」があったのだけど、やっぱり5期のスタートを期待してしまいます。原作は読んでないので、分からないけれど、…

『ウィッチクラフトワークス』これまでの大雑把な感想

今期のアニメで一番好きな作品は何かというと、『ウィッチクラフトワークス』です。 始まる前は全くノーチェックだったのですが、たまたまスタート前の予告編を目にして、火々里さんと、たんぽぽさん達の戦いのシーンに惹かれ視聴すると、これが面白かった。…

魔法少女まどか☆マギカ fone

魔法少女まどか☆マギカ foneのiphone版が制作されるらしい。まだまだ、リリース時期は未定だけれど楽しみです。ちっとばかし、価格が高めなんですけど是非手に入れたいです。佐倉杏子推しなので、このデザインにしたいななどと考えています。 紹介動画 魔法…

『キルラキル』感想 〜 ド派手な姉妹喧嘩が見たいんだ 〜

アクの強い傑作 キルラキル、傑作だ。 独特の世界観があり、魅力的なキャラクターが居て、声優の演技には緊張感があり、脚本に抜かりがない。そしてキャラクターデザインにオリジナリティーがある。 確かにアクの強さの為に、はなから受け付けない人も居るか…

『ズヴィズダー』を見て、ウクライナの平和を祈る

ナターシャ a.k.a.ウーム教授 『世界征服〜謀略のズヴィズダー〜』、面白いです。 ストーリーの風呂敷は大きいのに、変に捏ねくり回してないのがよい。とりあえず「征服」すれば問題ないから、すごく明快。 それに、それぞれのキャラが立っている。敵役のホ…