『境界の彼方』第二話「群青」 〜 感想など
※以下、ネタバレあります。注意して下さい。
感想
タイトルの「群青」は何を表しているでしょうか。一話の「カーマイン」が栗山さんに繋がる色だと考えているので、やはり今回も同じやり方で、色が、特定のキャラを示しているのかもしれません。だとすると、「群青」は名瀬美月にあたるでしょうか。役の重さからいけば、ありそうな線です。けれど、兄名瀬博臣という候補も捨てがたいところです。今回の話では、美月より博臣のほうが意味深な言動をしていたからです。むしろ、名瀬兄妹を併せて「群青」ということもあり得ます。
気付いたこと、気になったこと
- 冒頭のシーン:秋人の手が血に濡れ、その下には人が倒れていました。秋人が傷つけたのでしょうか。彼の叫びは何を語るのでしょうか。それは、今後明かされるでしょう。
- 妖夢:栗山さんが倒した、ミイラ型妖夢は「目」が弱点でした。この弱点は、妖夢全般の特徴なのでしょうか。
- 妖夢2:そのミイラ型妖夢は凶暴化し好戦的だったと言われています。元々の妖夢は左程暴力的な存在ではないのでしょうか。一話の妖夢(にのさんに倒された奴)も積極的に人間を襲う様子はありませんでした。謎です。それならば、何故倒さねばならないのか。
- 「不愉快です」:一話では四度登場した、この栗山さんの口癖。
- 公園にて、秋人「栗山さん気をつけて、特にメガネ」栗山「不愉快です」
- ミイラ型妖夢追跡前、秋「明日のご飯はどうするの?来月の家賃は?」栗「不愉快です」
- 秋人が栗山さんの包帯を巻きながら、秋「(文芸部に)メガネ美少女が欲しいから!」栗「不愉快です」
- 朝、栗山さんの家を訪ねた秋人に対する第一声、「不愉快です」
- ミイラ型妖夢の鑑定結果(1000円)に不満な栗山さん、秋「まあそんなもんだよ」栗「まじ、不愉快です!」
→→とまあ、今回は五回の「不愉快です」を頂いたので、合計は九回になりました。それにしても、本人目の前にして「美少女」と言ってのける秋人くん、性癖がそうさせるのかもしれませんが、このストレートさは活目に値しますね。
あと、「まじ」とか使う栗山さん、前回はTwitterやブログやってることを公言していたり、変に現代的なのが面白いです。はっきり言って、そういう要素が似合わないキャラなのに、何だか許容できてしまう不思議なバランス感覚を持っています。
- 小指の指輪:栗山の能力を制御するアイテムのようです。
- 栗山さんの過去:ミイラ型に止めを刺そうとする瞬間、彼女の過去がフラッシュバックします。
- 盆栽:公式サイトの情報によると栗山さんの趣味は、不愉快ブログと盆栽だそうです。家の前に「盆栽混合土」が置いてありました。
- 妖夢鑑定業許可証:これがあると妖夢を鑑定できるそうです。異界士協会発行です。鑑定した際に報酬も払っているので、それなりに現金を用意しておかなければいけない商売でしょう。新堂彩華さんは、33703号の許可証を得ています。結構な数の鑑定業者が居るようです。
- 学年色:三年生は緑でした。ネクタイ、襟のリボン、上履きの挿し色が学年毎に分かれています。
- 人払いの結界:これは一話で、栗山さんが使用していました。ところが今回は、彩華さんの店に張られた結界に気が付かない栗山さんです。
- 「観察かしら」:栗山さんが、美月に、秋人の側にいる理由を尋ねた際の、美月からの答えです。
- 虚ろな影:実態を持たない超強力な妖夢で、近いうちに長月市にやって来るようです。「ワルプルギスの夜」を思い浮かべた人も多いのではないでしょうか。
- 栗山さんの過去:彼女は牛丼屋で、秋人に「殺したんです、私は、この手で人を殺したんです」と告白しています。誰を殺したかまでは語られません。けれどそれは、栗山さんが妖夢を倒すときに躊躇する理由なのでしょう。
さいごに
上にも書きましたが、冒頭の場面は秋人の過去でした。そこにはきっと、栗山さんの過去と共通する何かがあるはずです。もちろん詳しいことは、まだ分かりません。でもそれがなければ、栗山さんが秋人を信じ、秋人に救われる拠り所が形作られません。
物語とは、そういうものだと思います。
- 作者: 鳥居なごむ,鴨居知世
- 出版社/メーカー: 京都アニメーション
- 発売日: 2013
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