ナイフとフォークで作るブログ

小説とアニメ、ときどき将棋とスポーツと何か。


2015-01-01から1年間の記事一覧

米澤穂信『冬期限定三色最中事件』はいつ出版されるのか?

ただいま米澤穂信『春期限定いちごタルト事件』を読み直しています。久々に読んでみると小佐内ゆきさんの印象が少し違った風に感じられました。この『春期限定』から始まる、いわゆる「〈小市民〉シリーズ」では『秋期限定栗きんとん事件』を手始めに読んだ…

セイコーの電子辞書事業からの撤退という、ごく個人的な話題

今月末をもって、セイコー(正確にはセイコーインスツル株式会社、通称SII)が電子辞書事業から撤退します。先日そのことを知ったときは、割とショックを受けました。電子辞書ビジネスからの撤退について 電子辞書ビジネスからの撤退について | セイコーイン…

マイナス状況の日常漫画③:吉田覚『働かないふたり』

悲惨だったり、不幸だったり、とても平穏で平和だとは言えない状況を舞台にした日常漫画を、勝手に「マイナス状況日常漫画」と名付けて、幾つかの作品を紹介しています。今回はその3作品目で、吉田覚『働かないふたり』です。 『働かないふたり』は、ニート…

March comes in like a lion.

いよいよ明けて3月1日は、将棋名人戦・順位戦 A級の最終日、残された全五局が一斉に行われます。人の言うところの「将棋界の一番長い日」です。 羽海野チカの漫画『3月のライオン』のタイトルは「March comes in like a lion, and goes out like a lamb.…

マイナス状況の日常漫画②:安田剛助『KILLER☆KILLER GIRLS』

昨日の『少女終末旅行』についてのエントリーに引き続き、今回もマイナス状況を舞台とした日常漫画を一作品、オススメします。一応「マイナス状況」について説明すると、それは悲惨だったり、不幸だったりする、決して平穏とはいえない状況全般を指します。…

マイナス状況の日常漫画①:つくみず『少女終末旅行』

マイナス状況の日常漫画 日常漫画はいろいろ有りますが、近頃、マイナス状況を舞台とした面白い日常漫画が幾つか目に付いたので、その中の一つを紹介します。 紹介に先立って「マイナス状況」について説明をしておきます。それは客観的に見れば不幸だったり…

『暗殺教室』128話感想 〜或いは茅野カエデが一番美しい時〜

いやいや、ビックリしました。まさか茅野カエデが触手持ちの存在だとは。つまりは怪物ということなのでしょうけれど、彼女に怪物という言葉は使いづらいですね。今のところは。 当然気になるので茅野さんについて検索してみたところ、これまで特に活躍する局…

「分を弁える」ということ 〜宮﨑駿『風立ちぬ』から感じたこと〜

先週の金曜日に『風立ちぬ』が地上波初放送されました。その番組は見逃してしまいましたが、以前劇場で観た『風立ちぬ』のことを考えていました。 『風立ちぬ』で印象的なシーンにひとつに、二郎と菜穂子の黒川宅における祝言の場面が有ります。この場面で二…

『かぐや姫の物語』にアカデミー賞が与えられなかった日に

本日(日本時間2015年2月23日)アカデミー賞の授賞式が行われた。残念なことに『かぐや姫の物語』の長編アニメーション部門での受賞は叶わなかった。 『かぐや姫の物語』は日本はおろか、世界のアニメーションの歴史においても稀有な名作だと思う。ユニーク…

スレイン・トロイヤードは何処に辿り着くのか? 〜『アルドノア・ゼロ』19話感想

※以下、ネタバレあります。戦争激化の予感 『アルドノア・ゼロ』2クール目の7話(全体では19話)を見ました。残す所あと5話でしょうか。 今話は、派手なシーンこそ少なめでしたが、物語の大きな転換点となる回だと感じました。主人公の二人がそれぞれ、…