電王戦のこと。
佐藤慎一四段がponanzaに敗れました。
対局後のインタビューの佐藤四段の表情が印象的でした。
悔しさとか無念さとか、そんな言葉では表せない複雑な気持ちがぐるぐると渦巻いていました。
開始前、対局室に現れたときの羽織姿に、強い決意を感じました。
負けられない、負けられない、負けられない、そんな叫びが聞こえた気がします。
さらりとした着物の下に、ふつふつとほとばしる感情。それはコンピューターには無いものです。
自信も不安も緊張も恐れも、あらゆる感情を武器にして戦おうとしているんだなあと思いました。その姿はとても美しかったです。
対局後のインタビュー。傍から見れば残酷な時間。
さらりとした着物に隠された感情。とても隠し切れるものではない。
あれほどに純度の高い感情を目にする機会は、本当に稀です。
電王戦も、佐藤四段の棋士生活も、将棋の歴史も続いていきます。
そんな時間の流れの中でも、特別な輝きがあの対局にはあったのだと思います。
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